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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter61 『力になるもの』 61-20


・・消えろ・・!」

ドクンッ

(フェルゼンの声に、胸の奥で、何かが疼く。 だが、風が夏樹を包み込み、
フェルゼンから切り離した。)

コォォォォーッ

ドクンッ

(鼓動は強まり。 夏樹の胸の奥で、まるで何かが出たがっているかの様だ。)

チリッ

(落ち着こうと、胸元に触れる。 小さな金属音が、上着の下で鳴った。)

『味方が居ない時でも、そばにあるもの。』

(閉ざされた場所から、風が連れ出すと信じて。
夏樹は、自分を取り囲む風に、思いを強く念じた。)

『友の様に励まし。 困難を切り開いてくれるもの。』

『そうだ。』

『僕の、力になるもの。』

ドクンッ!

(鼓動は強まる。)

「うっ・・。」

『見失うな。』



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