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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter61 『力になるもの』 61-3
ザーッ
(視線を上げた、夏樹の視界には。
降りだした雨に霞む繁華街の通りがあったが。 その様子は一変していた。)
(異空間の中に居る時の様に、無数の人波は姿を消し。 車も無く。
ただ、雨だけが降っていた。)
(雨音が強まったのではなく。 それ以外の音が、消えたのだ。)
「・・・。」
(夏樹はゆっくりと、通信機を持つ手を下げた。)
『・・聖の創り出した、異空間なら。』
『通信機が、繋がるはずだ。』
(夏樹の冷たく白い手の中で、通信機の小さなモニターは、黒く消え。)
(通信不能の状態を表していた。)
「ひよこの次は、何だ?」
「・・まったく。 大丈夫だなんて言って、切るとこれだ。」
「タイミングが悪いな。」
(夏樹は苦笑し、覚悟を決めた。)
「空間を操る・・能力者・・か。」
『聖が言った通りか?』
『どちらにしても・・、誰も僕を。 見つけられないに違いない。』
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