HOMENovel

Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter61 『力になるもの』 61-8


「はっ・・。」

(夏樹は、気配に、目を開いた。)

***

ザーッ

(透明な、奇妙な形の深紫の靴が。 異空間に降り立つ。)

トッ

(赤い髪が、雨の滴に艶めく。)

「くっくっくっ。 ・・汚ねぇ・・。」

(雨の中、星座が散りばめられたように不思議な煌めきを放つマントが。
不機嫌に笑い、揺れる肩の上で、舞った。)

「汚ねぇだろう・・? 下衆が・・っ。」

「この俺を・・。 こんな処に・・来させるんじゃねぇよ・・。」

(フェルゼンは顔を上げた。 透明な身体は、夏樹には見えない。)

「・・勝手な事してるんじゃ・・ねぇ。」

ドクンッ

「くっくっ。 楽しそうだな・・。 闇を殺すのは?」

「だが・・なぁ。」

「このままだと、俺の精神が・・やられる。」

ドクンッ



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ