HOMENovel
Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter61 『力になるもの』 61-9
ドクンッ
***
『!』
(視線の先から、流れ出す強い圧力が、夏樹の身体を。
その場に、まるで鎖の様に縛りつけていた。)
『来た・・。』
『あの時の、気配だ・・。』
ドクンッ・・
(雨を挟み立つ、二人の距離は。 そう離れてはいなかった。)
***
パシャンッ
(胸騒ぎがし、紫苑は風見市の街中、雨の中の歩道で、立ち止まった。)
「はっ・・。」
(白い傘を両手で握りしめ。 何かの気配に紫苑は突然後ろを振り向いた。)
「・・夏樹くん・・っ。」
(長い明るいベージュ色の髪が、風と雨粒を受けて靡く。)
***
「試してみるかぁ・・? なぁ。」
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』