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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter62 『似ている』 62-1
コォォォッ!
トッ
(紫苑の腕に引かれ、能力者の異空間から夏樹は、いつも目にする。
別の異空間の中に引き込まれた。)
(そこは丁度、先程紫苑が雨傘を取り落とした、風見市の街中だった。)
(移動する時、淡い黄色の光に包まれたその空間は。
聖の創り出したものであることを示していた。)
「・・聖っ!」
(顔を上げ、夏樹は驚いた。)
「やぁ、夏っちゃん。 なかなか張り切るね。」
(笑顔の聖の隣で、晃は冷たい視線を聖に投げた。)
「お前が頼り無いからだろう。」
「遅くなってすまなかったな、夏樹。」
(目の前には、聖、晃、菖蒲が立って居た。)
「夏樹様! ご無事で・・っ。」
(菖蒲は、紫苑に連れられ戻った夏樹を見て、
大きなタオルを片手に、走り寄った。)
「お怪我は、ありませんか?」
(柔らかなタオルで夏樹を覆いながら、菖蒲は。 四角い黒縁眼鏡の奥から、
心配そうな黒い瞳で見つめた。)
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