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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter62 『似ている』 62-2


「ああ、大丈夫だ。

ありがとう。」

(夏樹は思わずほっとして微笑んだ。 しかし、菖蒲の目に、
微笑む夏樹は雨にずぶ濡れで、細い身体はより小さく見え。 安堵するわけには
いかなかった。)

「敵は・・、やはりあの時の。

夏樹様を狙って来たのでしょうか?」

「僕を? さぁ。」

「狙いは欠片だろう。

いずれにしても、気づかない内に。 異空間に引き込まれたよ。」

(夏樹はそこで、前方で、紫苑から時の欠片を受け取っている聖に
向き直った。)

「聖・・。

僕が消えてすぐ、気づいたんだろう?」

「気づいたなら。

もう少し、早く助けてくれないかな。」

(聖は笑顔で欠片を手にしながら、振り向いた。)

「くすくすっ。

夏っちゃん。 笑っていただろう、

だから、余裕なのかと思って。」



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