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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter62 『似ている』 62-10


「どんなレーダーよりも。 恋心は強いらしい。」

(いつの間にか、雨は上がり。 雲間からの日差しが、聖の
銀色に輝く髪を照らし。 眩しい程に、楽しげな笑顔を煌めかせた。)

「・・何言ってるんだよ。」

(夏樹は一気に疲れを感じ、呆れてため息をつきながら。 リムジンに向かい
歩き始めた。)

(聖は、背を向けた夏樹に、声を掛けた。)

「そうだ、夏っちゃん。」

「彼に会えたかい?」

(一瞬、立ち止まったあと、夏樹は振り返り。 答えた。)

『駆のことだ。』

「・・うん。」

「くすくすっ。 そう。」

「驚いただろう?」

(聖は満足そうに微笑んでいた。)

「・・こういうのは、やめてくれ。」

(夏樹は、うつむいた。)

『機密組織なのだから。 また、不用意に近づくべきじゃない。』

『それを守らせるのが、司令官の役目じゃないのか?』



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