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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter62 『似ている』 62-11


『いや、ただ僕をからかって。 面白がっているだけだ。』

『だけど・・。』

「何だい?」

(顔を背けた夏樹が、本当は、何を言いたかったのか、聖には分かっていた。
夏樹を喜ばせたことが、たまらなく嬉しい様子で。 聖は微笑んでいた。)

「・・別に。」

(夏樹は、聖の顔が見れずに、うつむきながら呟いた。)

『何か、言ってやるつもりだったのに・・。』

『あの笑顔を見たら、何も言えないじゃないか。』

(夏樹は、手を振っている紫苑に振り向き。 菖蒲と紫苑の待つリムジンに向かい
歩きだした。)

***

***

(リムジンを見送った後、淡く黄色に煌めく空間通路を。 聖と晃は、本部へ向かい
歩いた。)

(晃の黒い靴と、聖の白い靴の降り立つ地面は、銀色に光る水面の様に。
二人の歩調に合わせて、銀の波紋を投げかけた。)

ピチャンッ

(にこやかに、隣を歩く聖の横顔と。 サラサラと流れる、眩い銀髪が。
空間通路の反射光に煌めくのを。 晃はため息交じりに見つめた。)



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