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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter62 『似ている』 62-15
バリリッ・・
(無理に逃げ込んだその場所の、美しく透明な床や壁が。 一部破壊され、
フェルゼンの苛立つ肩から、足元へ落ち、砕け割れた。)
「・・下衆が・・っ!!」
バリバリバリッ・・
(怒りにまかせ、フェルゼンは砕けかけていた壁を、打ち砕いた。)
カシャーンッ
「・・はぁっ・・はぁっ・・。」
(透き通る氷が敷き詰められた様な、床が続くその場所は。 砕けたガラスの破片の他、
何も無く。 まるで天井から浸食し、溶け出す黒い染みの影が、
広いその部屋を上部から暗く、圧迫している様だった。)
「くっくっくっ・・。」
(透き通る床の僅かな反射光だけが、部屋に戻ったフェルゼンを仄かに
照らし出している。)
(天井へ染み出す、黒い影は。 室内の中央で、凝縮し。
一つの漆黒に染まる玉座の様な
椅子を形作っていた。)
(フェルゼンは、息を荒げながら、黒い玉座を。 青い爪の長い手でつかんだ。)
「・・あいつが・・。
空間を操る・・能力者・・か・・?」
「ふぅ・・っ。 殺してやりたい奴が・・一人・・増えたなぁ・・。」
(嵐を抜けた様に、四方に乱れて伸びる青い髪の奥で、
血の様に赤い瞳が揺れ。 目の前のモニターを睨んだ。)
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