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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter62 『似ている』 62-3


(聖の大きな手が、眩く輝く時の欠片を手にしていた。)

(流れる銀髪が、風に揺れ、真っ白な派手なスーツに鮮やかな金の装飾が煌めいている。)

(眩しい程の聖の笑顔に、夏樹はため息をついた。)

「はぁっ・・?」

『馬鹿かっ・・。 信じられない。』

『余裕なわけないだろう・・っ。』

『どうせ、そんな事だろうと思ったよ。』

(菖蒲から受け取ったタオルで髪を拭きながら、夏樹は毎度自分の奮闘が、
聖に振りまわされているだけの様な気がして、
なんだか脱力した。)

「あ・・、そう。」

「それで、何か掴めた?」

『僕の戦闘を見て、敵のデータを取ったのだろう。』

(聖は、深い紺色の瞳が。 自分を見つめるのを見た。
夏樹は、タオルで白い首筋を拭い。 深い紺色の髪には、まだ雫が滴っていた。)

(タオルの拭った首筋にかかる。 細い黒い紐を金色の瞳で見つめた後、
聖は目を細め。 微笑んだ。)

「菖蒲君。 夏っちゃんに、もう少しタオルを持ってきてくれるかな?」

「はい。 畏まりました。」

「・・ん?」



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