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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter62 『似ている』 62-4


「いいよ別に。」

(夏樹はきょとんとしたが、返事をし、リムジンへ引き返す菖蒲を。
紫苑も追いかけた。)

「あ、菖蒲さんっ。 わたし取って来るね。」

「では、ご一緒に参りましょう。」

トットッ

(連れ立って行く二人を見て、聖は言葉を続けた。)

「さて。」

「残念だが、データは何も取れなかったよ。 静乃君が頑張ってくれたがね。」

(聞いた夏樹はがっかりし、肩を落とした。)

「そうか。」

『姿が見えないくらいだ。 普通の能力者とは、違うのだろう。』

(考えに耽る夏樹に、聖は呟いた。)

「そうだな、分かった事は、国に登録されている能力者ではないということだ。」

(そんな事かと思い、夏樹は言い返した。)

「それはそうだろう? FOTに攻撃してくるなんて、まともな人たちじゃないよ。」

「違法に活動している人たちじゃないか?」

(その言葉に、晃が口を開いた。)

「違法に活動している者は、居ない事になっている。」



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