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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter62 『似ている』 62-5


「え?」

(夏樹は、晃に振り向いた。)

「夏樹、この国ではすべての能力者が、国の監視下にある。」

「たとえ力を使わなくとも。 力を持つ者は全て国に管理登録されているんだ。」

(意外な言葉に、夏樹は驚いた。)

「FOTメンバーだけじゃないの?」

「誰がそんな管理をするんだ?」

(晃は夏樹を見つめ、告げた。)

「『国家生命科学研究所』だ。」

(深い紺色の瞳が瞬いた。)

「!」

「彩さんの研究所・・、そこでは欠片を研究しているんだと思ったけど?」

(晃は、切れ長の瞳を細めた。)

「それだけじゃない。」

「彩が来るより以前は、能力者と縁深い場所だった。

今でもある部分は、引き継いでいるらしい。」

「初めて聞いた・・。」

(夏樹は、思わず聖を見た。)



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