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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter63 『ねんど工作』 63-2


(目を見開いた数馬の目の前に。
ちょこんと、気を付け。の姿勢で、興味津々の笑顔の蒲公英が、
立って居た。)

「数馬くんっ。」

「どこいくのっ?」

「たんぽぽ!」

(いつもの、ちび。ではなく、名前で呼ばれたことに
蒲公英はドキッとして瞬きした。)

「いいか。

今日はついてきたらダメだっ!」

「ここにいろよっ、

いいなっ!」

(数馬は、下駄箱の前を指さして、
蒲公英に背を向けた。)

ダッ

(返事を聞く前に、数馬は玄関から飛び出していた。)

ゴォォォォーッ・・

(不思議な、闇の重力は。 次第に、校舎裏から強い気配を発し始めていた。)

ゴゴッ・・

(他の人には見えない。 黒い煙が地面を這う様に、校舎わきの細道から
向かう数馬の元へ漂ってくる。)



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