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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter63 『ねんど工作』 63-4


ゴォォォォーッ

「弱いものいじめしたら、ダメじゃんかっ。」

(数馬は、お気に入りの被った帽子を、飛ばされない様に。
深く片手で被り直した。)

ピコーンッ

(静乃からの通信が、胸ポケットにいくつも付けたバッジの一つから
聞こえたが。 数馬は無視し、闇に向き合った。)

(黒煙は、強さを増し。 小さな少女の、紺色のプリーツのワンピースをはためかせ
渦巻きながら、少女を飲み込んだ。)

『!』

「弱いものいじめしたら・・っ、ダメだって!」

「いってるだろっ・・!」

ゴワァァァーッ

(数馬は静乃の通信を待たずに、結界を作動させた。)

(少女は闇と化し、数馬の前に立ちはだかった。)

「こいつっ!」

(両手に力を込めようとした時、すぐ側で、呼ぶ声が聞こえた。)

「数馬くんっ。」

(嫌な予感に、数馬は振り返った。)

「ちびっ!」



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