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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter64 『小さな敵』 64-6


トッ

「数馬様。

ご無事で何よりです。」

(菖蒲は、空間通路を抜け。 駆けよって来た数馬に、同じ視線に屈んで
あいさつした。)

(そのまま夏樹に振り向き、心配げに呟く。)

「・・闇が変化した様ですね。」

「そうだね。」

(夏樹は手の中の欠片を見つめた。)

『こんなに小さい。』

(しかし二人と違い、数馬はむしろウキウキしている様だった。
夏樹の風の力にすっかり感心し、尊敬の念を込め。 茶色の瞳がきらきら輝いていた。)

「夏っちゃんっ!

いや、夏っちゃんおししょうさまっ。」

「じゃぁっ、じゃぁ。 敵がへんけいしたりっ、でっかいときは、

どーしたらいいですかっ!」

(闇が消えたことで安心した数馬は、急にわざと神妙な顔で、
夏樹に詰め寄ってみせた。)

「ん?」

「ははっ。」



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