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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter64 『小さな敵』 64-7


「そうだな。」

「・・もう少しこの街の土と、仲良くなってみる。 とかかな?」

(数馬は、真面目な顔を作って。 夏樹の前に、ずいっと進み出た。)

「じゃぁ、夏っちゃんおししょうさまはっ。

風となかがいいんですかーっ?」

(夏樹は、苦笑した。)

「うう〜ん・・。

どうかな、時々ね。」

「だめじゃん!」

(数馬は、夏樹が秘訣を教えてくれないと思い。 頬を膨らませた。)

「菖蒲、蒲公英ちゃんと。 あの子を連れて行くのを、

手伝って。」

(闇が倒れた芝生の上には、今は小さな少女が横たわっていた。)

「はい。 畏まりました。」

(歩み出そうとする菖蒲を夏樹は呼びとめた。)

「これを彩さんに。」

(白手袋の手に、欠片を手渡し。
夏樹は、後ろの生け垣の中に眠る、蒲公英を揺り動かした。)



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