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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter64 『小さな敵』 64-8


「ん・・んん〜・・。」

(蒲公英は、目をこすり、そっと目を開けた。)

「夏樹お兄ちゃんっ。」

(蒲公英は、目の前の紺色の瞳を見つめて、笑顔になった。)

「あのねっ・・! 数馬くんがねっ。」

「おばけがでてねっ!」

(蒲公英はぱっと立ち上がると、夏樹の上着をひっぱった。)

「良かった。 どこかぶつけてないかな?」

(夏樹はほっとして。 少しくしゃくしゃになり、木の葉がついた
蒲公英の短い後ろ髪を撫でた。)

(数馬が駆け寄り、笑い掛ける。)

「ちび。 もうだいじょうぶだって。」

(とたんに笑顔になって、蒲公英は数馬に飛びついた。)

「かずまく〜んっ!///」

(菖蒲は、少し離れた柔らかな芝生の上に眠る、少女を抱き上げた。)

トッ

(小さな少女から、あれほどの闇が生まれたことが。
信じられなかった。)

「・・ほんとうですね。



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