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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter64 『小さな敵』 64-9


どんなに小さくとも。 油断はできません。」

(少女は、すやすやと眠っていた。)

***

サワサワサワッ

(中庭に茂る木々の先を。 風が揺らした。)

(中庭から、小学校校舎へ。 引き返して行く。
一行を、校舎脇の隅から、見つめている視線があった。)

「・・あいつらも・・。

・・同じ連中か・・?」

(声の主は、中庭に茂る。 巨木の影の中に居た。)

(その小さな人物を、大きな木の影が仄暗く、覆い隠していた。)

「くっくっ。

この・・身体で・・。 触れられるか・・、

試してみるか・・なぁ・・。」

カササッ

(草木を掻きわけ、小さな黒猫が。
すぐ側へやって来た。)

(小さな少年は。 そっと、足元へ寄った黒猫を、
抱き上げた。)







『小さな敵』
Chapter64 End

Fragment of Time・・・時の欠片の道しるべ



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