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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter65 『消える世界』 65-1
(中庭から、小学校校舎へ戻る頃。
小さな少女も、無事に目を覚まし。 何事もなかったかの様に、元気に
教室へ戻って行った。)
(夏樹が菖蒲と別れ。
廊下の端で。 数馬と蒲公英が連れだって教室へ戻って行く様子を見守っていると。)
「あ! 数馬くんっ。
せんせい〜っ。」
「あっ、ほんとだっ!」
(教室から、数馬のクラスの担任の、優しげな女教師が。
迎えに来ていた。)
「数馬くん。 蒲公英ちゃん。
良かったわ。 待っていたのよ!」
「さぁ、入って。」
(先生に促され、二人は教室へ戻って行った。)
(数馬はほんの一瞬。 遠くの夏樹に振り向き、親指でグッドサインをかかげ、
教室に消えた。)
(女教師は、夏樹に気づき。
去り際、笑顔を向けた。)
『きっと、静乃さんが連絡してくれたんだろう。』
(そう思いながら、夏樹は女教師に頭を下げた。)
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