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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter65 『消える世界』 65-6


(理恵の笑顔に、皆拍手で歓迎した。)

「わぁ〜っ!」

「よろしくねっv」

(理恵は、微笑みながら、隣に立つ少年を見つめた。)

(皆の視線が集まり、
柏木もそっと、少年に促す様に。 笑顔を向けた。)

トッ

(今度は少年が一歩前へ踏み出し。
静かに、クラスの中へ。 視線を向けた。)

(柔らかに流れる、少年の黒髪の奥で。
艶やかな瞳が、煌めいていた。)

(クラスの中ほどで、数馬は。 さして気の無い風に、
この二人を見つめていたが。)

『・・ん。』

(少年の視線が、
自分を捉えた様に見え、僅かに眉根を寄せ瞬きした。)

「・・・。」

(僅かの間の後、少年は微笑んだ。)

「古谷 善です。」

「良く兄妹か、双子にまちがわれるけど、

僕の母が、理恵の母のお姉さんだからです。」



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