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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter66 『写真』 66-9


(朝日の下。 慣れない手付きで、しわを伸ばし、干す様子を。
千波は見守った。)

パサッ

カチッ・・ カチッ・・

『ふふっv 不器用ね・・v』

(朝日に紺色の髪が光り、おぼつかない手もとに、紺色の瞳の視線は。 真剣だった。)

「じゃぁ、キッチンと。 あと少し、夏樹のお部屋片付けてくるね。」

「うん。 ありがとう。」

キイッ

「あ〜、そうだv」

「夏樹、あんまり写真って撮ったことないんだね。」

(庭から離れ。 部屋から出て行こうとして、ふと千波が足をとめた。
振り返った千波の、明るい茶色の髪が。 朝日に揺れ、明るく光る。)

「え?」

「写真・・?」

(急に何のことかと思い、夏樹は瞬きした。)

「あ、うんv ・・え〜っと、お片づけしてたんだけどねv

夏樹の写真って、無いな〜と思って。」

(思いがけない質問に、夏樹は少し戸惑い、苦笑した。)



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