HOMENovel

Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter67 『紺色の絵具』 67-4


(紫苑が何やら戸惑った様子なので、夏樹は気づき、
ガラスの瓶を、元の場所に戻した。)

「! ごめん、勝手に触ったりして。」

『///』

「ううんっ、ちがうの。 さわっても平気。

好きに見て。」

「うん。」

(夏樹はそう言った、紫苑の手元に握られた小箱に。
幾つもの、多彩な色彩の青系統の油絵具が、何本も入っているのを見つめた。)

「何を描いているの?」

(深い紺色の瞳が。
間近に興味深げに覗き込み。 紫苑は思わず、後ろの茂みの前へ一歩後退した。)

「・・!/// ええっと・・。///」

(しかし、それがいけなかった。
夏樹は、紫苑が身体で隠した。 緑の茂みと、窓辺の間に。

キャンバスが置かれているのを見つけた。)

「え?」

(夏樹は気になり、思わず近づいた。)

(近くで見ると、紫苑のエプロンには何色もの絵具の跡があった。)

「わ〜っ/// あのねっ/// こっちは、だめ。 まだ途中だから・・///」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ