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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter68 『忍び寄る影』 68-2


「散歩ですよ。

いけませんか?」

「さ、さんぽ!」

(数馬は、柔らかに揺れる、黒髪の奥の。 艶やかな黒い瞳が
細く揺れるのを見つめた。)

「んなわけねーだろっ。」

「学校に入って、何するつもりだっ!」

(真剣な表情の数馬の問いかけに。
善は、瞬きして。 微笑んだ。)

「何って・・。

勉強・・じゃないですか?」

(善はそう言って、一歩数馬に近づいた。)

(数馬は、思わず。 後退した。)

「くすくすくすっ。

今は、放課後です。 それを言うなら、

数馬くん。」

「時々、授業をぬけ出して。

あなたは何をしているんですか?」

(善の黒い瞳が。 艶やかに揺れながら。 大きく見開かれた。)



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