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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter68 『忍び寄る影』 68-4


「僕の目的など・・あなたに分かるはずがない。」

「だから、いずれ教えてあげます。」

(そう言いながら善は、数馬の肩に触れ。
背中を屈め。 数馬の耳元に口を近づけた。)

『・・!』

(数馬は逃れようとしたが、まったく身体が動かなかった。)

『・・はなせよっ!』

「これ、流行っているんですね?」

(善は、数馬のお気に入りの帽子に留められた。
小さな赤い羽根のピンバッジに触れた。)

「はっ!」

(数馬は息を飲み。 善の黒い瞳は、勝ち誇ったように微笑んだ。)

「『FOT』って、何ですか?」

「僕は、それに興味があります。」

『こいつっ! 知ってるんだ・・!』

(数馬の胸は、緊張で高鳴った。)

(そんな様子に、善は、数馬の耳元に、小声で囁いた。)

「蒲公英さんも、もっていましたね?」

「ヒーローごっこですか?」



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