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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter68 『忍び寄る影』 68-8


「随分適当な、大きな網だこと。」

(呟いた理恵の言葉に、蒲公英が不思議そうに、振り返った。)

「え?」

「ううん。 なんでもないわv」

(理恵はそう言いながら、隣の棟へと続く、2階の階段へ、足を向けた。)

「あっ、理恵ちゃん。 げんかんは、こっちだよ。」

「ふふっ。 しってるわv」

「今日は、おとなりお留守なの?」

(蒲公英は玄関を開き、鞄を下ろした。)

「? 夏樹お兄ちゃん? わかんない。 こんど、いっしょに

遊んでもらお〜。」

「夏樹お兄ちゃんと、お絵かきする約束したのっ。」

「うふふっ。 うん♪」

(理恵は、にっこりと笑い、幾度も通り見知った玄関へ
足を運んだ。)

「たんぽぽ、ほんとうはっ、お留守番にがてなの・・。」

(こっそりそう言った蒲公英に、理恵は微笑んだ。)

「わたしがいれば。 へいきでしょう?v」

「うん!」



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