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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter69 『崩せないもの』 69-2


「チイちゃん、今度モデルになってくれない?」

(にんまり笑う男子に、佐織は、チイの前に出てガードした。)

「ダメ。 高くつくわよ。」

「ふふふっ。」

「ちぇっ・・。」

(男子は落胆し、チイは笑った。)

トッ

(良く日の入る。 窓際の端で。 紫苑は、少し、皆と離れ。
制作に没頭している様子だった。
近くに来るまで、まったく気付かず。 目の前のキャンバスに心を映していた。)

「へぇ〜。

綺麗な色ね!」

(後ろから、佐織が覗き込み。 紫苑は初めて気づいた。)

「佐織ちゃん!

チイちゃんもっ。」

「どうしたの?」

(チイも隣で、感心していた。)

「ほんとに、キレイ。」

(佐織は、覗き込んでいた長身の身体をあげ、サラサラとストレートの長い髪を揺らし、
紫苑に微笑んだ。)



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