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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter69 『崩せないもの』 69-4


(佐織は、チイをくすぐりながら。 紫苑にウインクした。)

「雨宮くんの、歓迎会の。」

「わぁ///」

(紫苑の歓声に、佐織はチイを離し、顔を上げ両手を腰にあてた。)

「駆じゃないけど! もうっ、雨宮くん、全然来ないんだもんっ。」

「こっちから、行ってやろうじゃないの!」

(凛々しさを感じさせるほどの、背の高い佐織の肩に。
流れるような長いストレートの茶色の髪がサラサラと靡き。
茶色のプリーツのスカートに、
茶色のベスト。 白いブラウスの胸元に赤いネクタイが揺れる。)

「駆くん、張り切っていたものね。」

「でも、大会が近くて、練習も大変そうだから。」

「私たちで、用意しようって。」

(チイは微笑んだ。)

「わぁ/// 楽しみ。」

(紫苑は小躍りした。)

「わたしだって、ほんとは!

彼との約束で忙しいとかっ、言いたいんだけど。」

「あの執事さんとは、あれっきりぜんぜん会えないし・・。」

(その言葉に、紫苑が肩をすくめた。)



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