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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter69 『崩せないもの』 69-5


『夏樹くんがいないってことは・・、菖蒲さんもいないものね///』

(チイが佐織を見上げた。)

「駆くんは、忙しいしね。」

「チイ〜・・っ。」

(佐織はチイを横目でにらんだ。)

「佐織ちゃん、チイちゃん。

わたしもっ、少ししたら、行っても良い?」

(しかし、カラフルなパレットに筆を置き。 ワクワクした様子の紫苑に、
佐織はスッと左手を上げ、ちょっと待つように引き止めた。)

「紫苑は、また今度ね。

展覧会に間に合う様に、描いているんでしょう?」

「えっと・・。

うん///」

(紫苑は照れながら頷いた。 木製の小さな椅子に腰かける紫苑の周りには、
幾種類かの琥珀色のガラス瓶や、数々の色彩の油絵具が、置かれていた。)

「用意しても、すぐに歓迎会出来ると限らないでしょう?」

「それに雨宮くんのお姉さんも来てくれるかもしれないでしょう?」

「ご予定がわからないけど、少し準備しようと思って。」

『千波ちゃんも来てくれるの!』



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