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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter69 『崩せないもの』 69-8


「何も、すぐでなくても良いのよ。」

「いつ、雨宮くんの都合が良いかわからないから。

いつでも良い様に。

準備しようって、相談したの。」

「今週末でも良いし。

何ヶ月か先でも良いの。」

(佐織はそう言って、微笑んだ。 オレンジの日差しが、キラキラと長い髪を照らす。)

「興味本位じゃないもの。」

「本気で、仲良くなりたいの。」

(佐織の言葉に、紫苑はドキッとした。)

「紫苑もそうでしょう?」

「もっと知り会えたら良いわね。」

「だって、時間はあるんだから。」

(紫苑は、深く頷いた。)

「・・うん。」

***

(賑やかになり始めた廊下を過ぎ、2人は旧校舎から、新校舎前へ戻った。
オレンジの光が射し込む渡り廊下で。

紫苑は、遠くから、2人に手を振り見送った。)



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