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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter70 『夕暮れに染まる』 70-10


本当に、なんて正直な方なんでしょうか・・。』

「私は、夏樹様は、勇敢だと思います。」

(後部座席に乗り込みながら、夏樹は笑った。)

「くっ。 そんなんじゃないよ。

ただ、夢中でやり過ごしているだけなんだけどな・・。」

「いいえ。

私には、そう見えます。」

(菖蒲は微笑み、後部座席に収まった主人を見つめた。)

「夏樹様、では参りましょうか。

ドアを閉めますね。」

「ああ。」

バタンッ

(間もなくリムジンは、エンジン音と共に。
不思議な、淡い黄色の光に包まれた。)

コオオッ・・

ブブンッ・・

(ほんの一瞬のうちに、真っ白なリムジンは、夕暮れに包まれるその場から
姿を消していた。)

***







『夕暮れに染まる』
Chapter70 End

Fragment of Time・・・時の欠片の道しるべ



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