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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter70 『夕暮れに染まる』 70-2
(腕時計は、二つの点滅する光を映し出し。 視線の先で、中心の青に向かい、
緑色の点が移動する様子を映していた。)
ブブンッ
キキキッ・・
(ほぼ同時に、緑色の点と同じ軌跡で。 夏樹の立つ右脇に現れた空間通路から、
淡い黄色の光の粒を散りばめながら。 大きな白いリムジンが姿を現した。)
(リムジンは、夏樹のすぐ側で停車し。 運転席のドアが慌ただしく開いた。)
バタンッ
「・・! 夏樹様っ。
お見事でした・・。 ですが、そのっ。
移動するなら。 移動するとおっしゃってください・・。」
(黒の皮靴が、水滴となった闇を踏みしめ。 夕暮れに反射する、艶やかな燕尾服を
靡かせ。 すぐ側へやって来た。)
「お供させて頂きたいのに、車の方が、置いてけぼりでは
あまり意味がない様な気が致します。」
(菖蒲は、夏樹の側に駆け寄ると。 気まずそうに微笑んだ。)
「ははっ、ごめん。
空間通路が近かったし、歩いて行けると思って。」
「それにすぐ闇化が始まっただろう?」
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