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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter70 『夕暮れに染まる』 70-4


「今夜は、千波ちゃんが何か作りに来るから。

冷蔵庫に何があるか、見ておこうと思ったんだよ・・。」

「でも、何が必要かよくわからないからな。

どうしようか?」

(菖蒲は、安堵し。 何やら夕食の心配をしだしたらしい主人の様子を見つめた。)

(先程、夏樹は、無意識に胸元に手をやっていた。
それは、何か不安がある時。 夏樹がする癖だった。)

「そうですね。

そういえば、お買いものとか、いつもなら夏樹様が行かれることはありませんから。

せっかくの一人暮らしですし。

今度行かれてみては、いかがでしょうか?」

(菖蒲の笑顔の提案に、夏樹は一瞬固まった後、
笑った。)

「それもそうだな。

どうせなら、出来ない事をしてみないとな。」

「すぐに誰かに叱られたり。

見られたりすることもないだろうから。」

(その言葉に菖蒲は笑った。)

「主に、聖様のことでしょうか?」



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