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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter71 『惹きつける場所』 71-12


ピルルルッ

(その時、白衣の胸ポケットに、着信の音が鳴った。)

「あら。」

(彩は、ネイルの指先で、通信機を拾い上げると、
思わず笑った。)

「ふふふっ。

お礼を言われたわ。」

「まったく、

良い子ね。」

(言いながら彩は、通信機のメール画面を、聖に見せた。)

“ありがとう。 彩さん。

僕は、出来るだけ長く。

この街に居たい。”

(彩は幾度か、画面を見つめた。)

「敵わないわね。」

(短い言葉から伝わる、夏樹の気持ちに、
聖は目を細めた。)

***

コォォォォーッ



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