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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter71 『惹きつける場所』 71-13
(幾つもの揺らぐ、黒と紫のマーブル模様の気流の中を。
大きな白いリムジンは、帰路に向かっていた。)
コォォォッ
(行き過ぎる、車窓の揺らめきも気にせず、
夏樹は一心に。 先程大量に、仕入れて来たばかりの書類の山から。
一つファイルを抜き取り。 読みふけっていた。)
「・・こんな能力者がいるんだな。
聞いた事もない能力だ。」
「きっと、何か手掛かりがあるよ。」
(後部座席に、積みきれない程の。 幾束もの書類の山の間に、
夏樹は埋もれる様に座り。
下を向いたまま。 熱心にページを繰っていた。)
(運転席から、ミラー越しに。
菖蒲は後ろを振り返り。)
(やや小さな主人が、うずたかく積んだ書類に埋もれて良く見えず、
ミラーの位置を。 白手袋の手で直した。)
「夏樹様。
今日は、ほどほどにしてくださいね。」
「あまり根を詰めると良くないですし、それに・・。」
(ミラー越しに、見つめていた黒縁眼鏡の奥の瞳が、
驚き、見開いた。)
(同時に、慌ててブレーキを踏む。)
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