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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter71 『惹きつける場所』 71-14


キキキーッ

コオッ・・

(白いリムジンは、タイヤに、空間通路の流れる気体を巻き込みながら。
紫の微かな煙を上げ、停車した。)

「夏樹様っ!

大丈夫ですかっ!?」

(菖蒲は慌てて運転席から降り、黒の燕尾服をはためかせながら、通路に降り立つと。
後部座席の扉を開いた。)

ガチャッ

「夏樹様!」

(後部座席で、夏樹は。
深くうずくまる様に背中を折り、うつむき。 両手で顔を覆っていた。)

「・・っ。」

(菖蒲は後部座席に乗り込み、側へ寄った。)

「夏樹様・・。」

(そっと呼び掛けると。 夏樹はゆっくりと顔を上げた。)

「・・うっ。 気持ち悪い。

酔った。」

(それを聞き、菖蒲は少しほっとし。 肩の力を抜いた。)



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