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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter71 『惹きつける場所』 71-2
「・・そう。
詳しい事は、ここに書いてあるらしい。」
(夏樹は言いながら、やっと、封筒を顔から離して
菖蒲に見せた。)
「まだ、開けていないんですね。」
「ああ。
本部か屋敷に、所在を限る・・なんて、書いてあるのを、
読みたくないだろ。」
(夏樹は落胆し、苦悶した様子で。
待合廊下近くの長椅子に腰を下ろした。)
(顔色は相変わらず悪く。 青白い肌に、眉根を寄せる紺色の瞳が、
さも嫌そうに揺れていた。)
「開けてみましょうか?」
(それでもその深い紺色の瞳の奥は、明かりを反射し。
キラキラと煌めく光は、少しも変わってはいなかった。)
「うん。 良いよ。」
(了解を得て、白手袋の手が
封を切った。)
ピッ ピリッ・・
パラッ
(菖蒲が封を切り、書類をめくる間。
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