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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter71 『惹きつける場所』 71-5


「良かったですね。 夏樹様。」

「今夜、千波さんには、叱られてしまうかもしれませんが。」

(菖蒲は微笑み、肩をすくめた。 サラサラと細い黒髪が、揺れ。
少し長い後ろ髪が、艶やかに光り整う燕尾服の肩に掛かる。)

「くっくっ。

少しの間、大人しくしてるよ。」

「菖蒲。

でも実は、ここへ来て。 その間に出来そうな。

ちょうど良い方法を見つけたんだ。」

(すっかり気を取り直した主人は、今度は何か
新たな意欲に燃えている様だった。)

(どうやら、大人しく休むつもりはないらしい主人に、
菖蒲は苦笑した。)

「・・今度は、何を思いついたのでしょうか?」

(紺色の瞳は、楽しげに揺れた。)

「彩さんには、内緒だ。」

「僕にドクターストップを掛けるなら。

僕にもそれなりの考えがあるからな。」

(こっそりと、内緒話のポーズで手をかざす夏樹の側に、菖蒲は寄った。)



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