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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter71 『惹きつける場所』 71-7


「菖蒲、

大丈夫だよ。 おばけは防げないけど。

セキュリティーなら、これがある。」

(夏樹は仄暗い廊下で振り返り。 上着のポケットから、
小さなIDカードを取り出し、見せた。)

「こんな時だけは、『No.3』も役に立つと

思うよ。」

(廊下は、ほとんど黒い色彩で埋まっていた。
数メートル置きに設置された、青い灯りは。 辺りの器具や、書籍を守る為なのか。
特殊な光源で有る様に思われた。)

(暗闇の中、僅かな灯りに紺色の瞳と、FOTのIDカードがちらりと煌めき。
菖蒲はもう止められないと覚悟した。)

「わかりました。

一緒に捕まりましょう。」

(夏樹は微笑み頷き。 前を歩き始めた。
菖蒲は一呼吸置き。 丸い青い灯りが照らし出す、暗く細い廊下へ、歩を進めた。)

トッ

***

「こうなるかもしれないと・・分かっていたわ。」

「闇が与える負荷が、強過ぎるのね。」



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