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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter72 『家族』 72-3


(千波は、黄色のポケットを指さした。)

(夏樹が視線を向けると。 良く見ると。 巨大なひよこ型ポケットは、
下の方が小さく膨らみ。 中に何か入っている様だ。)

「ん?」

(小さなふくらみは、もぞもぞと
動いていた。)

「ふふっ。 わたしにあんまりなついてくれないのよね〜v

紫苑ちゃんにあげようか?v」

(千波は言いながら、かわいらしい手でそっと。
ポケットの奥深くから。 小さな本物のひよこを取り出した。)

「ピヨッ」

(ひよこは小さく鳴き。 夏樹と菖蒲は思わず千波の手の中を見つめた。)

「ひよこちゃん2号v

空間の結界の向こうにいてもv 通話できる通信機ですってv」

「また、お得な秘密の特典付きらしいけど。」

(夏樹と菖蒲は、顔を見合わせ。 瞬きした。)

「だ〜いじょうぶよ♪v

今度は静乃ちゃんが創り直してくれたものだからv」

(千波は不審の顔をしている夏樹の、白い両手に。 ひよこを手渡した。)



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