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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter72 『家族』 72-5


「何遠慮してるの?」

「菖蒲も来いって。

一緒に夕飯食べていけば良いよ。」

(夏樹は、微笑み。 菖蒲を見つめた。)

「そうよv

ほんとは春日さんご一家も誘いたかったんだけど♪v

夏樹とゆっくりしてってv 言ってくれたからv」

(しかし菖蒲は、まだその場に立ち止まっていた。)

(オレンジの仄かな灯りが、黒の燕尾服を照らし。
黒縁眼鏡の上にかかる黒い髪を、温かに染めている。)

『もしかすると、私がお側にいない方が、

気が休まる事もあるかもしれないと思っていました。』

『街に出て、FOTから少し離れる時間があればと・・。』

『けれど、夏樹様には、そのおつもりが無いご様子。』

『この街で、もう少しお側にいられたら・・。』

(菖蒲は心を決め。 続けた。)

「いえ、そうではなくて。」

「夏樹様・・。」



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