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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter73 『夜のひと時』 73-1


「えっ!

ドクターストップ?///」

(紫苑は聞いて驚き、思わず手元の紅茶のカップを
ソーサーにぶつけた。)

(夕食後、キッチンから続く。 小さな庭先のそれぞれのベランダに腰かけながら。
皆はお茶をしていた。)

「いや、そんな。

大げさなことじゃないんだ。」

「大したことはないのに。

時々止められるんだよ。」

「自由に動けないから、困る。」

(紫苑は心配になり、小さな白い柵を越え。
自分の家の棟から、隣の夏樹の敷地へやって来た。)

「でも、学校にも行けないなんて・・。」

(走って来た紫苑の、薄く重なるスカートの裾が。
立ち止る夏樹の前でふわりと揺れ。)

(夏樹は瞬きした。)

「国でいろいろ決まりがあるんだ。

少し普段と変わると、何か起こすんじゃないかと。

能力者は警戒されているから。」



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