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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter73 『夜のひと時』 73-12


静かに、夕方紫苑があれこれ、試していたらしい
キッチン横の。 スペースに目をやった。)

「あの子たち、歓迎会をしたいと、

思っているらしいの。」

「でも・・、家の中には、

クラスの子たちは、入れないんじゃないかしらね?」

「今朝もね。

夏樹君を、きっと誘おうと。

来てくれたんだと思うのだけれど。」

「若い男の子が、家の前で、こちらを見ていたの。

すぐに引き返してしまったわ。」

(それを聞いて、誠司は、
お茶に向けて伸ばした手を、一瞬止めたが。
そのまま受け取り。

焦げ茶色の瞳で、桜を見つめた。)

「どんな人でしたか?」

「桜さんの、見た事のある子ではなかったんですね。」

(桜は頷いた。)

「ええ。 高校生くらいに見えたけれどね。

あっ、そうだわ。 誠司さん、紫苑が作ったクッキーがあるの。」



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