HOMENovel
Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter73 『夜のひと時』 73-7
(紫苑の手も、同じく鮮やかな青色に
染まっていた。)
「ぷっ、ふふふっ。」
(夏樹は思わず笑った。)
(紫苑は瞬きしたあと、肩を揺らし笑った。)
「ふふふっ/// 落ちるかなぁ?」
「これ、落ちにくいの。」
(笑い合う二人の様子を、少し見た後、
ベランダの白い手すりの上を、小さな黒猫は。 つまらなそうに、
しっぽを揺らし、引き返した。)
「クロ、遊んであげなかったから、
拗ねちゃったみたい・・。」
「ぴよちゃんと、ケンカしないかなぁ?」
(夏樹は笑った。)
「何か、秘密の機能がついているらしいから。
子猫の方が、負けるかもしれないよ。」
「紫苑さん、
いっそ、青い鳥に塗り替えたらどうかな?」
(青く染まった羽根を覗き込み、夏樹は近づくと、黄色い羽毛に触れ。 付いた絵具に
白い指先で触れた。)
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』