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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter73 『夜のひと時』 73-8


(同時に、冷やりとした感覚が。
手元から、紫苑の腕へ伝わり、紫苑は一瞬身体を動かし。
冷たさに驚いてから。 ひよこをそっと、共に撫でた。)

「だめ/// かわいそうでしょう?」

「くっくっ。」

「この間の? 何を描いているの?」

(問いかけに、紫苑がドキッとした時。
小さな嘴が、紫苑の声で、話し出した。)

[「夏樹く・・」]

「きゃ〜っ!///;」

(紫苑は慌てて、黄色いひよこの口元に手を当て。
急いで、自室に向かい、引き返した。)

「そ、それじゃあ。 ごめんねっ、夏樹くん。

ま、また明日っ///」

「え?」

カララッ

ピシャンッ・・

(ベランダに残った夏樹は、呆気にとられ
しばらくその場に固まった。)

「何だったんだろう?」

(なかなか夏樹が戻って来ないので、気になった菖蒲が、静かにベランダの窓を開けた。)



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