HOMENovel
Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter73 『夜のひと時』 73-9
カラッ
「紫苑お嬢様、どうかされましたか?」
(夏樹は笑顔で振り向き、自室に引き返した。)
「いや、お隣で。
ひよこが青くなってた。」
ガララッ
(何のことか分からず。菖蒲は不思議そうな顔をした。)
「さて、今日はこのくらいにして下さいね。」
(そう言いながら。
菖蒲は一緒に確認を手伝っていた、資料の山を。
丁寧に、一つにまとめ。 片付けた。)
「ああ・・。
そうか。 菖蒲が側にいると。
あんまり夜更かしできないじゃないか・・。」
(夏樹は気づき、がっかりした。)
「(ごほんっ)
ほら、私が居た方が、いいじゃありませんか?」
(わざと咳払いし、少し得意げに見つめる菖蒲に。
夏樹はしぶしぶ頷いた。)
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』