HOMENovel

Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter74 『満天』 74-10


『それはきっと、特別なことだけれど。

他の人と、何も変わらない。』

『思いを懸けるのはきっと。

それが、夏樹くんらしい生き方だから。』

「こんなにがんばっているんだもの・・。」

(紫苑は、夏樹が、戦っている時。 どんな思いを込めているのか
考え、自身を顧みる暇がいないのだろうと察した。)

(そしてきっと、今も早く。 その場へ、
戻る事を願っている。)

「千波ちゃんが心配するのも、わかるな。///」

(紫苑はもう一度、小さな木製の丸椅子に腰かけ。
キャンバスを見上げた。)

「ふぅ・・。」

(込み上げる気持ちに、紫苑は両手で口元を覆った。)

(目の前に広がる青は、その向こうに立つ人物を思い起こさせ。
そこから伝わる波動の様なエネルギーは。 まるで、夜見上げた星空が。
心に染み入る様に人を癒すのに似ていた。)

『綺麗・・。』

(絵に感動するというよりも、描き出された人物が、
まるで夏樹に似た気配を発することに。 紫苑は驚いた。)

『それは、夏樹くんが。 不思議な力を持っているから・・なのかな?』



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ