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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter74 『満天』 74-4


「いえ。 それが、誠司様のお帰りがお早く。

今夜は4人で食卓を囲まれております。」

「まぁ。」

「すっかり、溶け込んでるのね。」

(静乃は瞬きし、菖蒲は言いながら、微笑んだ。)

「どうでしょうか?///」

「私が出ると言いましたら、夏樹様に。

置いて行くなとにらまれました。;」

「ふふっ。」

(外灯の下を歩きながら、静乃は前方に近づいた高校校舎に目を向けた。)

「夏樹くんが来られなくなって、

もう何日も経つでしょう。」

「モニター越しには話せるけれど。 早くここで会いたいわ。」

(花柄のスカートが軽やかに揺れ。
月明かりの下で、思いを馳せる静乃の頬に。 軽やかな髪が、肩の長さほどに、明るく。
くせづいてあちこちに跳ね。 優しげな表情を見せていた。)

(菖蒲は目を細めた。)

「皆には、具合が悪いと伝えられないから・・。」

「夏樹くんが来ない事、良く思わない子もいるの。」



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