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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter74 『満天』 74-5
(学校での様子がどうなのか、菖蒲はわからなかったが。 夏樹があまり授業に出ず。
他の生徒と比べて、浮いているだろうことは、想像出来た。)
「クラスの子がね。 紫苑さんたち仲の良い子たちなんだけど。
歓迎会を開こうって、計画しているらしいの。」
(それを聞いて菖蒲は嬉しそうに顔をほころばせた。)
「それは、楽しみですね!」
『それで・・お嬢様は、クッキー作りに励んでおられるのでしょうか。』
(時折、良い香りがお隣のキッチンから漂って来ても。
一度も夏樹が味わえていないことに、納得した。)
「静乃さん、外出許可は、
いつごろ出るのでしょうか?」
「とてもsnow dropは快適で、
調べ物やら何やらで、退屈されたご様子でもありませんが、
閉じこもっておいでなのは、お可哀そうでなりません。」
(静乃は頷いた。)
「そうね。 このところ、
闇化のペースが、不思議と穏やかだから。
安心して居られるけれど。」
「それでも闇化は止まっていないから。 夏樹くんは、現場に出たいでしょう。」
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