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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter74 『満天』 74-8
「・・んん。 もう少しなのに。
夏樹くんが復帰できないと。 気になってとても無理かも。」
「菖蒲くん。 約束覚えているかしら?
忘れられてしまいそう・・;」
(そう言って夜空を見上げる静乃は、
とても可愛らしい表情でそっとつぶやいた。)
「ふふっ。 大人気ないわね。」
***
シュッ
シュウッ・・
(細い筆先が、幾色もが混ざり合う、鮮やかな青を。
キャンバスの中央にそっと添え。)
(月の光と、蛍光灯が灯す。 豊かな表面に、光る、艶やかな1点を加え。
そっと離すと。)
(紫苑は大きく息を吸い。
肩の力をゆっくりと抜いた。)
「はぁ・・っ。
出来た・・。」
(汚れた絵筆と、パレットを側の小さな木製机に置き。
紫苑は思わず立ち上がると。 お気に入りのエプロンの裾を、両手で握りながら。
まじまじと、全体の色彩を見つめた。)
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