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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter75 『風見通信』 75-1


「ええっ! 紫苑の絵が特別賞にっ。」

「見て、この新聞記事。」

(クラスメイトは、次々に、感嘆の声をあげ、
一人の女生徒が広げた新聞記事を中心に集まった。)

「ほんとっ!

“春日 紫苑さん”って、書いてあるわ。」

「この絵ってさぁ。」

「うん!

ぜったいそうよ。」

「キレイー。」

(女生徒たちは、額を寄せて、顔を赤らめ。
微笑み合った。)

バッ

「見せろって。」

(涼は勢い良く。 女の子から新聞を奪うと、
机の上に広げた。)

「あっ・・。」

(両手をつき、食い入る様に記事を見つめる。)

(涼の目は見開き、地方紙の1ページを飾る。 見事な青い色彩に、
言葉を無くした。)



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